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エゴグラムとは?
あなたは、あなた自身のことをどの程度知っているのでしょうか?日頃、私たちは自分自身で考えたり、行動していると思っているかもしれません。つまり、意識している私(顕在意識あるいは表面意識)が、私自身のすべてを充分理解し、把握していると信じて生活しています。
しかし、有名な精神分析学者、フロイトは、人間の心を氷山にたとえると、私たちが日頃意識している部分は海に顔を出した氷山のほんの一角に過ぎず、残りの大半、つまり無意識の部分は水中に隠れていると考えました。
そして、普通には意識されない部分(潜在意識)が、私たちの日常の行動に大きな影響を与えていると考え、精神分析という無意識の世界を分析する方法を開発しました。そして1957年に、精神分析医エリック・バーンによって、精神分析の考え方をよりわかりやすく実際的に改良した自我分析法である「交流分析」が開発されました。
「交流分析」とは、日常の行動の中で、自分自身を理解し、自分が他人とどのように関わっているかを知ることにより、私たちの考え方や感情、態度、行動パターンを、できるだけいい方向へ導く自己コントロール法です。
エリック・バーンは、私たちの心が、
・ 親のような自我状態(P:Parent)
・ 大人の自我状態(A:Adult)
・ 幼児的な、子供の自我状態(C:Child) の3つで構成されていると考えました。

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Pは、両親など、幼児期に自分に関わり合った人たちによってつくられた自我であり、父親的と母親的な自我に分けられます。父親的なものは批判的な親という意味でCP(Critical
Parent)と呼び、厳しく批判的な性格で、権威的態度であり、理想を追求する一方、社会秩序を重んじ、倫理的、道徳的な父親的性格とも呼べるものです。一方、母親的なものを、保護的な親という意味でNP(Nurturling
parent)と呼び、やさしく親切な情け深い性格で、他人に対して思いやりや心配りができる、母親的性格と考えられるものです。 |
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Aとは、Adultの略で、理性的、知性的で感情のコントロールがうまく、ものごとを客観的データに基づきクールに合理的に認識、判断、行動できる大人の自我状態です。 |
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Cは、ChildのCで、幼児的な、子供の自我状態を表し、2つに分けられます。
一つは、自由な子供、FC(Free
Child)と呼ばれ、自然のままに思い通りに振る舞い、本能的、衝動的である一方、のびのびとおおらかでもあり、無邪気に行動する性格です。
もう一つは、適応した子供という意味で、AC(Adapted
Child)と呼ばれ、従順で協調性に富み、素直である反面、良い子でいようとして親や社会など周囲に順応しすぎる傾向があり、自由な自分を押し殺している自我状態です。 |
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エゴグラムとは、これら5つの自我状態(自我類型)をグラフ化したものです。
このグラフは性格の善し悪しや長所、短所を判断するものではなく、これらの自我状態のどれが自分にとって多い要素なのかを知ることにより、自分の性格や行動パターンを確認するものです。
エゴグラムの検討結果
それでは、あなたのエゴグラムを検討してみましょう。
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図1のようにCP、NP、FC、ACのそれぞれの合計点が折れ線グラフの形になっていますか?
日本人の平均的なエゴグラムは図1のようにNPを頂点としたなだらかな形をしています。思いやりがあり、知的でもあり、他人のいうことも認めて、明るく、権力に屈しないという、日本人社会では理想的なエゴグラムともいえます。 |
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ちなみにアメリカ人のエゴグラムといえば、図2のようにAが一番高い、ベル型とよばれる形が平均的だといわれています。非常に知性的で合理的にことを運ぶけれども思いやりの面は少し下がっています。 |
図3から図6は、桂戴作元日大教授による一人ひとりで異なり、さまざまな形になるエゴグラムを4つの典型的なタイプに分類し、「人生の基本的構え」とよばれる4つのパターンに対応させたものです。交流分析では、性格の基本は幼児期に作られるとする考えから「人生の基本的構え」とか「人生の立場」とよばれるパターンを次の4つに分類しています。
1、 自他肯定の構え:「I
am OK,You are OK.」という自分にも他人にも肯定的なパターン
2、 自己肯定、他者否定の構え:「I am OK,You are not
OK.」という自分には肯定的だが、
他人には否定的なパターン
3、 自己否定、他者肯定の構え:「I am not OK,You are
OK.」という自分には否定的だが、
他人には肯定的なパターン
4、 自他否定の構え:「I am not OK,You are not
OK.」という自分にも他人にも否定的なパターン
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前述した日本人の平均的なエゴグラムで、「私もあなた(他人)もすべてOKである」という自他肯定タイプであり、民主的で、建設的な人生観をもって生きている人のパターンです。NPをピークとしACへと下がっていく山型で、PやCの機能が強いのが特徴です。他の人との間に温かい交流が生まれやすく、FCもある程度高いので自分を適切に表現でき、人間関係がうまくいきやすい自我状態といえます。 |
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このタイプは、「私はOKだが、あなた(他の人)はOKではない」という自己肯定、他者否定のパターンです。自信家であり、排他的で責任転嫁的な人生観をもって生きている自己中心的な人に多いパターンです。典型的なエゴグラムはCPとFCが高く、NPとACが低い逆N字形で、他の人には批判的だが、自分を積極的に生かそうとするCPやFCの機能が表面に出るのが特徴です。
したがって、自分のしたいことをし、言いたいことを言うため、ともすれば周囲との摩擦が生じやすいタイプといえましょう。
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このタイプは、「私はOKでないが、あなた(他の人)はOKである」とする自己否定、他者肯定のパターンで、劣等感や無力感を伴った人生観の人に多くみられます。典型的なエゴグラムは、NPとACが高く、CPとFCが低いN字形で、自分を抑えてでも他の人との関係を良くしようというNPやACの機能が表面に出る特徴があります。自分の内部に矛盾が蓄積されていることがおおい自我状態であり、さまざまな心身症になり易いタイプともいえます。 |
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最後のタイプは、「私もあなた(他人)もすべてOKではない」という自他否定的パターンで、虚無的で非建設的であったり閉鎖的、悲観的な人生観をもつ人のものです。タイプAとは逆に真ん中が凹んだ谷底形で、NPを底としてACへと上がっていくエゴグラムで、PやAの機能が弱く、Cの機能が強い特徴があります。NPが低いため他の人との温かい交流がもちにくく、ACが高いので自分に対して肯定の構えが取りにくい自我状態といえます。 |
もちろん、あなたのエゴグラムが、これら4つのタイプのどれかにぴったり当てはまるわけではありません。
しかし、とりあえずはAからDのどのタイプに近いかで自分の「人生の基本的構え」を確認しておいてください。
ただし、この4タイプのどの形にも合わない方も出てきます。
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図7のようにW形になる場合は、心身症的傾向があって胃潰瘍や神経性の胃炎などになり易いタイプといわれるものです。
能力があり、物事に対してきちんとして批判的ではあるが、思ったことを口に出して言えない、目上には従順で仕事を頼まれると断れない、やればできるので無理をやってしまうので、ついオーバーワークとなったり、神経をすり減らすことが多いため、ストレスがたまり易いのです。責任感で自分自身をがんじがらめにするタイプですが、今回はタイプCに分類してください。 |
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次に図8のように直線形というか、CPが高く、FCとACが低くなり、ほぼ一直線に右下がりとなるタイプもよく見受けられます。
高血圧になり易いタイプといわれているもので、責任感が強くて思いやりがある反面、他人のことに干渉し、自分にも他人にも完全さや潔癖性を要求するため口うるさく、ガンコでユーモアが少ない、人の意見に耳を傾けず、むしろ自分の考えを押しつける傾向があります。したがって、ちょっとしたことでガミガミと怒り、興奮しやすいので高血圧などの循環器疾患に要注意というタイプです。今回の分類ではタイプBに入れてください。 |
このように、交流分析では幼児期に形成された自我状態があなたの性格や行動の原型とみなし、そのタイプによってかかり易い病気や受け易いストレスなども自己診断できると考えています。 |